ポルシェが、フォーミュラE次世代車両「975 RSE」を発表した。新規則「GEN4」に対応した最新のオールエレクトリック・レーシングカーで、これまでのフォーミュラE参戦車両の中でも最大級の性能向上を実現したとされる。2026-27シーズン(シーズン13)からの実戦投入が予定されている。
何が発表・報道されたか
ポルシェは2026年8月31日、フォーミュラE用の新型マシン「975 RSE」を公開した。GEN4規則に基づく車両で、アタックモード使用時には最大600kW(約816PS)、通常走行時でも450kW(約612PS)を発生する。現行のGEN3 Evo(最大350kW)から大幅な出力向上となっており、0-100km/h加速は約1.8秒、最高速は330km/hを超えるとされる。
最大の技術的特徴は、常時四輪駆動を採用した点だ。これまでのフォーミュラE車両は基本的に後輪駆動で、アタックモード時のみ前輪にも駆動力を配分する方式だったが、GEN4では全輪への駆動力配分が常時作動する構成になった。回生ブレーキも最大700kWまで強化されているという。車名の「975」は、2026年に75周年を迎えるポルシェ・モータースポーツにちなむとみられる。
975 RSEは2025年11月から実走テストを開始しており、2026年4月上旬時点で累計1,860kmの走行を消化したと報じられている。実戦デビューは2026年12月、2026-27シーズン(シーズン13)の開幕戦になる見込みで、ポルシェはこのGEN4世代からワークス参戦を4台体制に拡大するとしている。
PORSCHE GATEとしての見方
四輪駆動化や出力向上といった数字だけを見ると、フォーミュラEはもはや市販の空冷モデルとは別世界の話に思えるかもしれない。ただ私たちPORSCHE GATEが常々お伝えしているのは、レースの世界での技術競争と、自分にとってどのポルシェが楽しいかは、必ずしも同じ物差しでは測れないということだ。空冷か水冷か、ガソリンかEVかといった軸で優劣を決めるのではなく、実際にハンドルを握ってみて心から楽しいと感じられるかどうかを基準に選ぶべきだ、というのが一貫した考え方である。
何十台ものポルシェ・旧車に触れてきた経験から言えば、こうした最先端技術のニュースはブランドの本気度を測る材料にはなるが、それが自分の一台を選ぶ決め手になるわけではない。最終的にものを言うのは、その車に乗ったときの手応えである。
ポルシェオーナー・購入検討者への影響
975 RSEの技術そのものが市販車にすぐ反映されるわけではないが、ポルシェが電動化領域への投資を継続し、モータースポーツで結果を出し続けようとしている姿勢を確認できるニュースではある。EV化をめぐる市場の逆風が伝えられる中でも、レースの最前線で技術開発を止めていないことは、ブランドの技術的な信頼性を測る一つの材料になるだろう。
一方で、購入や乗り比べを検討している方にとって大切なのは、こうした先端技術のニュースをブランドイメージとして受け止めつつも、実際に選ぶ一台についてはリセールバリューや話題性だけに引っ張られず、試乗を通じて自分自身の感覚で判断することだ。空冷モデルであれ最新モデルであれ、まず実車に触れてみることをおすすめしたい。
元記事
本記事は以下の一次情報をもとに、PORSCHE GATEが独自の視点でまとめたものです。
Porsche presents Formula E race car 975 RSE(Porsche Newsroom公式)
ポルシェのフォーミュラEでの戦績については、あわせて「ポルシェ、フォーミュラEで2年連続ダブルタイトル ― ヴェルライン選手が2度目の王座」もご覧いただきたい。

