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2026年8月7日から16日にかけて米カリフォルニア州で開催された「モントレー・カーウィーク2026」の会場で、ポルシェは特別注文プログラム「ゾンダーヴンシュ(Sonderwunsch)」による世界に一台だけのオーダーメイドモデル「フラッハバウRS(Flachbau RS)」を発表した。1970年代後半のレースシーンを席巻した935「モビーディック」を思わせるスラントノーズ(フラットノーズ)を、現行モデルベースの公道仕様として蘇らせた一台だ。
何が発表・報道されたか
フラッハバウRSのベースとなっているのは、ヴァイザッハパッケージを備えた991.2型「911 GT2 RS」。フロントフェンダーを寝かせたスラントノーズの造形や、Uの字を描くカーボン部分とブラックの差し色は、マルティーニカラーを纏った935「モビーディック」へのオマージュとされる。開発には約3年を要し、ゾンダーヴンシュ部門やスタイル・ポルシェ、ポルシェ・モータースポーツ、ヴァイザッハのエンジニアリングチームに加え、レーシングパートナーのマンタイ・レーシングも制作に参加した。デザインには、2018年発表の935再解釈モデルにも携わった元ポルシェの著名デザイナー、グラント・ラーソン氏が起用されている。
なお同じ会場では、北米限定の6速マニュアル仕様「911カレラS」や、ディズニー・ピクサーとのコラボによる一点物911なども披露されており、ポルシェが例年この時期に特別モデルを集中的に公開していることがうかがえる。
PORSCHE GATEとしての見方
フラッハバウRSは市販されるモデルではなく、特定の顧客一人のためだけに作られた一点物だ。だからこそこの発表が教えてくれるのは、珍しさそのものよりも、ポルシェというブランドが半世紀近く前のレーシングカーのディテールを、今なお現役の設計思想として引き出せるという事実だろう。PORSCHE GATEでは常々、リセールバリューや希少価値だけを基準に車を選ぶことはおすすめしていない。935のスラントノーズも、もともとは空力性能を突き詰めた結果生まれた実用的な形であり、それが今「美しいデザイン」として評価されているのは、多くのオーナーが実際にその車に触れ、走らせてきた歴史の積み重ねがあってこそだと思う。空冷か水冷か、旧車か現行モデルかを問わず、まずは実車に触れてから自分の目と手で判断してほしいというのが、変わらない考え方だ。
ポルシェオーナー・購入検討者への影響
フラッハバウRSそのものを手にできるオーナーはごく限られるが、この一件は空冷時代の935・930系譜から現行のGT2 RSまで、ポルシェのデザイン言語がひとつながりであることを改めて示している。930ターボが「ウィンドウメーカー」と呼ばれた歴史的背景を知っていると、なぜスラントノーズがここまで特別視されるのか、より深く理解できるはずだ。
中古の空冷モデルや930系ターボの購入を検討している人にとっても、こうした最新のワンオフニュースは、自分が乗ろうとしている一台がどのようなデザインと技術の系譜の中に位置づけられるのかを知る、良い手がかりになるだろう。
元記事
本記事は以下の一次情報をもとに、PORSCHE GATEが独自の視点でまとめたものです。
Monterey Car Week 2026: Porsche presents exclusive highlights(Porsche Newsroom公式サイト)
空冷時代の930ターボとスラントノーズをめぐる歴史については、あわせて「911ターボ(930)が背負った『ウィンドウメーカー』の真実」もご覧いただきたい。

